モラは「人事評価」ができない話

先日、建設業の方とお話ししてたら

「おかげさまで今年も新人採用できたよー
現場やりたいヤツも、事務やりたいやつもいるんだけど、両方できるヤツは滅多にいないからね。貴重な人材だよ」

という話になり

「そういえば昔、モラともそんな話したよな…いっさい理解してなかったけど」
と思い出しました

 

目次

 

「それは高望みだ」と理解できない

そのモラ男性は会社の先輩で、
私はそのモラと一緒に「新人営業マンのための研修」を企画していました。
あれこれ話していると、彼は言いました。

「勉強できるやつは、飛び込み営業を嫌がる
飛び込み営業できるやつは、勉強が嫌いだと言う
なんで両方できるやつが少ないんだ?

は?
はあああ?

  • 得意・不得意はあって当然だし
  • 体育会系/文化系って違うものでしょ?
  • ていうか、そこをフォローするために研修するんだよ

といったことを丁寧に、長々と説明しましたが、モラはついに理解することはありませんでした。
(※当時、いい人に擬態していたので、わざとしらばっくれた訳ではなさそう)

「人には、長所も短所もある」と理解できない

そもそもの話ですが、モラ(自己愛性パーソナリティ障害)は「ありのまま」を認識できません。

詳しくは省略しますが、彼らの見ている世界は

  1. 理想化 (最高・正義・美しい・強い)
  2. 脱価値化(最低・悪党・醜い・弱い)

のどちらかです。
「普通」とか「まあまあ」は、ありません。

 

でも実際は「完璧にいい人間」「完璧に悪い人間」はいなくて、次の1〜4のどれかだと思います

  1. 運動も勉強もできる
  2. 運動も勉強もできない
  3. 運動はできる、勉強はできない
  4. 運動はできない、勉強はできる

でも、モラの世界に「普通」「まあまあ」はありません。ではどうなるのか?

  1. 運動も勉強もできる
  2. 運動も勉強もできない
  3. 運動はできる、勉強はできない
  4. 運動はできない、勉強はできる

3、4が消えました!🤣

そうか…

だからモラ先輩は「人には得意・不得意がある」「適材適所」と理解できず

「AができるならBもできるはずだ!なんでできないんだ!おかしいだろ!やりたくないからか!」と考え
後輩育成にことごとく失敗していたんですね😩

 

モラが親・指導者をやることの弊害

モラは他人も自分も「ありのまま」を見ることができません。
それに気づいたとき、私は、親の奇妙な行動も納得がいきました。

私の親は学歴コンプレックスだったので、勉強しろ、進学しろとそれは熱心だったのですが
過剰な期待や勉強を強要すること以外にも、問題がありました。

勧めてくる進路が、私の適性と、全く合ってないのです。

例えば、病弱な人に、医師は務まりません。
争うのが苦手なのに、弁護士はできません。

「勉強ができる」とは別に、適性が必要なのです。

でも、モラにはそれを見ることができません。
こんな人が子供の進路を決めてしまったら、一体全体どうなってしまうんでしょう?

健全な人は、どこが違う?

ちなみに健全だなあと思う人は、全然違うことを言っていました

①健全な上司「得意を伸ばせ!」

私が、飛び込み営業で心が折れそうになっていたとき、上司の一人が言いました。

「鳶子さんは頭がいいから、資格をとりなよ!そこを評価する経営者も、いっぱいいるからさ!」

私とは逆に「勉強は苦手、飛び込み訪問をするほうが得意」な部下には
「アポ取れたら一緒に行って、話はしてやるから、どんどん行ってこい!」と言っていました。

モラ先輩は「部下を甘やかすな!一人でやらせないと駄目だ!」と陰で批判していましたが
上司は、「部下それぞれの得意を伸ばし、自信をつけよう」としてくれたのだと思います。

②健全な経営者「いい仕事には給与で応える」

「現場も事務もできる人材は貴重」と言った役員さんは、こう言いました。

「いい人材に長くいてもらうには、まずは高い給料だと思うよ!」
「できる人はもちろん、挑戦してみたい人にも投資する」

これがモラハラ企業だったら、どうなるでしょうか?
仕事ができる人には「この程度で給料を上げてもらおうなんて、何様だ」と言い、
そこそこの人には「なんであの人みたいにできないの?」「できないなら残ってやれ」と言いうと思います。

健全な二人を見て思うこと

上司と会社役員、二人には共通点があります。
「彼の下には、長く活躍する社員が大勢いる」こと、そして「部下に対する態度」です。

  • 部下をよく見ている
  • 部下の現状(能力・適性・要望)を否定しない
  • 「叱咤激励は役に立たない」と知っている

これは部下からすると「自分を見てくれてる」「話が通じる」上司ですから、
私が部下でも、長く続けたいだろうなあと思います。

まとめ

モラに人材評価・育成をさせてはいけない理由は

  • 「何でもできるやつ」「何もできないやつ」と極端な評価をする
  • 「適材適所」が理解できない
  • 「できる人を厚遇」せず「できない人を冷遇」したがる

です。

これでは、「何もできない」と評価された人はもちろん
「できる」と評価された人にも、何もメリットがないので、遅かれ早かれ、みんな辞めてしまいます。(モラと取り巻き以外)

会社は、慢性的な人手不足になり、労働環境は悪化し、ますます人が辞めていきます。
新しい人を採用できても、環境が悪いので、またすぐ辞めてしまい、負のループです。

個人的には、ブラック企業って大体このパターンな気ががしています。

こうなる前に、モラには権限を持たせないようにしたいものです。

 

以上です。
読んでくださってありがとうございました。